この記事を読んでいただいてる方は、ファシリテーションの基礎編を読まれた方だと思います。
まだの方は、読んでもらえると嬉しいです。
ファシリテーションがミーティングの成功に重要なのは理解できますが、こんなふうに思っていませんか?
- 具体的にはどんなことするの?
- 自分(店長)は、発言できないの?
- 自分にできるだろうか?
- たくさん勉強しないといけないの?
- 本当に良くなるの?
安心してください。
ここでは、いろいろな方法や考え方を私の体験を交えてお伝えします。
また、ファシリテーションの考え方はたくさんありますので、私が良いと感じたものだけを紹介します。
ですので、もっと知りたいと思ってもらえる方が増えると嬉しいです。
今から紹介するものを、自由に組み合わせて店内ミーティングを成功させましょう。
アイスブレイク
アイスブレイクは、「発言しやすい場の雰囲気」「リラックスできる場の雰囲気」を作る手法です。
実際にこの手法を取り入れたミーティングでは、次のような効果を実感しました。
- 緊張せずリラックスして参加できる
- 積極的に発言できる
- 初対面でも参加者どうしのコミュニケーションがとれる
- 参加者どうしの理解が深まる
では、実際にどのような方法で実施したのかをお伝えします。
ちなみに、アイスブレイクの種類はたくさんありますので、ここでは私が店長時代に実施したものを紹介いたします。
- 1人1分の自己紹介(時間は増やしても良い)
- 内容は、「名前」「趣味」「今日(昨日)あった、一番うれしかったこと」を言ってもらう
これだけです。
しかしながら、これにはルールがあります。
- 近くの人(同じテーブル)で4名程度のグループに分ける
- 1人の自己紹介が終われば、必ず他の人は拍手する
- 自己紹介するときは、立って話してもらう
ファシリテーターである店長は、さらに聞き上手に徹し、次のようなことをすると、さらに良いです。
- 自己紹介中に「目を見て、笑顔で、うなずく」
- 全員の自己紹介が終わったあと、特によかった自己紹介内容の感想を言う(称賛する)
すぐに出来そう
場の雰囲気を良くするのが目的ね
ブレーンストーミング
あなたに質問です。
「1年後のあなたは、どうなっていたいですか?」
店長であるあなたなら、こんな感じで考えた人は多いのではないのでしょうか。
- 昇進してマネージャーになりたい
- 良い評価をもらっていたい
- 繁盛するお店の店長をしていたい
- 店長として成長していたい
など
こんな感じではないでしょうか?
しかし、これらは「あなたの現状を前提として考えた未来」です。
もし、こういう質問に変えたらどうだろうか。
「現状のあなたをとりまく環境は一切無視して(店長であることなどを無視して)、未来のあなたは、どうなっていたいですか?」
- 社長になりたい
- プロ野球選手になりたい
- お金持ちになりたい
- 結婚していたい
など
「小さい子どもに質問するかのような未来」を想像しませんか。
ブレーンストーミングでは、今まで考えもつかなかった意見や提案をみつける手法です。
メンバーはできれば、「学生」「主婦」「サラリーマン」「外国人」など多種多様の方が良いですが、前述のように固定概念を取り払うことが出来れば効果は絶大です。
私が実践したブレーンストーミングの方法はつぎの通りです。
- 多くても10人以下で行う
- テーマを決めて意見を求める(「新商品の注文を増やすにはどうしたら良い」など)
- 出た意見を書く(できれば、全員に見えるようなホワイトボードなどが良い)
- 全員に意見をいってもらう(同じ意見でもok)
- 時間を決める(発言がダラダラとならないため)
ここで重要なのはできるだけ多くの提案を出すということです。
もちろん、ルールがあります。
- 中身より量を意識してどんどん発言させる
- 提案を批判しない(非現実的なものも肯定します)
- 出てきた提案をまとめようとしない(ブレーンストーミング後にまとめるディスカッションを行います)
- 出てきた提案を改良したり組み合わせたりした、新たな提案も肯定する
実際、私も実践したとき、
「店長!お店にAKBのさっしー呼んでサイン会するってどうですか?」
という意見があり、非現実的に思えるが、私には衝撃が走りました。
「そういう考え方もあったのか!」
その後、真剣に「無料プレスリリースする方法」などを考えたことがあり、SNSでお店の発信をしたのを覚えています。
どんな提案でもいいのか!
数多くの提案を出すのが目的ね
ロジカルシンキング
ファシリテーターとして、このロジカルシンキングを理解し使用することは重要です。
ロジカルシンキングとは、感覚的ではなく「論理的に考えること」を意味します。
ここでは、私が実践した店内ミーティングにおいて重要と思えるものを紹介します。
MECE(ミーシー)
MECEとは、完全な全体集合という考え方で「もれなく、だぶりなく」と解釈します。
ロジカルシンキングには数多くの考え方がありますが、このMECEが基本となります。
わかりにくいと思うので「ターゲット層(人)」を例にあげるとこんな感じです。
・もれがある例
- 20代
- 30代
- 40代
・だぶりがある例
- 成人
- 未成年
- 男性
- 女性
・もれなく、だぶりもない例
- 10代以下
- 20代以上で30代以下
- 40代以上で60代以下
- 70代以上
このMECEの考え方は、「どういった切り口で」「どういったアプローチで」「どういった手法」などで考察するときに重要なものとなります。
このあともそうですが、今後、ロジカルシンキングでは必要となる考え方ですので、ぜひ覚えてほしい要素です。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、フレームワークの一種で、「問題などをツリー状に表記し論理的に原因や解決策を見出す」手法です。
例えば「客数を増やす」について、解決策をロジックツリーにするとこんな感じになります。
これを作成するときは、先程のMECEの要素を切り口にすると良いです。
また、ブレーンストーミングで出た提案をまとめたり、逆にこの表を埋めていくことにも使用できます。
そして、ロジックツリーの最大の効果は、
目的を外さず、具体的に行動できるレベルまで分解し実行できることです。
見た目にわかりやすく理解できる表だね
具体的行動レベルまで分解することで、何をすれば良いかわかりやすくなるのね
ファクトベース
ファクトベースは、意見や提案をまとめるときに有効で、「事実」なのか「仮設」なのかを振り分け、事実ベースで解決策や結論を導く手法です。
ただ、ファクトベースは奥が深いため、理解するのには時間がかかります。
そこで、私が実際に実施した簡単な方法を紹介します。
- ブレーンストーミングで出たすべての提案をカードサイズの紙に書き、テーブルに並べます
- ロジックツリーのようにテーブルで分類分けします
- さらに、グループ内で「事実(ファクト)」と「仮説」に分けます
- 事実と仮設が一番多いものをテーマに次に説明するディベートをします。
「事実」ばかりのテーマだと、何も新しいことは起きずに堅実なものしか生まれません。
「仮説」ばかりのテーマだと、信憑性にかけ成果がでない可能性がある反面、とんでもない成果が生まれる可能性があります。
仮説の例が次のような感じです。
- 最近、お昼のお客さんが増えているので、お昼のメイン客層のサラリーマンをターゲットにする(他のお店でもお昼のお客さんが増えているかもしれない)
- うどんがよく売れる時期は、他社がうどんのコマーシャルを流しているときなので、その時期におすすめすればもっと売れます
事実(ファクト)の例が次のような感じです。
- クーポン付きのチラシを1000枚配れば約30枚返ってきたので、2000枚配ればそれ以上を期待できます。
- 土日祝日は満席になる時間が多いので、そこで待っているお客さんが帰らないような対策が必要と考えます
何気なく言った考えがファクトかどうかわからないよね
事実か仮説かの判別が重要ね
ディベート
最後に紹介するのはディベートです。
ディベートは、反対派と賛成派とで意見をぶつけ合い、その内容を深く掘り下げることで、参加者の納得を得ることができます。
ただ、ポイントがあります。
客観的立場から考察するために、あえて賛成の人は反対派、反対の人は賛成派になって意見してもらいます。
- 対象の意見に賛成の人は、反対派として反対意見を述べる
- 対象の意見に反対の人は、賛成はとして賛成意見を述べる
それぞれが立場で考えることでお互いがこの考えに対しての長所と短所に気づくからです。
そして、最善の選択を参加者が納得した形で得られるのです。
これだけは、実体験を例に示しても理解できません。
ただし、実践すればすぐに理解できます。
わざと、反対の立場で議論するのか
ディベートでさらに深く掘り下げて、理解を深めるのね
まとめ
ここでは、ファシリテーションの応用編をお伝えしました。
実際に私が実施した内容を中心にお知らせしております。
ファシリテーション自体は範囲が広いですが、店内ミーティングに役立つ内容のものを抜粋しております。
これらを実践することで、店内ミーティングの質は格段に向上します。
これにより、今までの店舗状態から大きく向上するのを実感できるでしょう。